12Vバッテリーレス充電システム 低価格版

 今回は、12Vバッテリーレス充電システム低価格版の紹介をします。 12Vバッテリーレス充電システムオリジナル版を紹介してからだいぶ時間が経っているので、 オリジナル版の紹介から始めます。

 自然エネルギーのシステムには、系統連系システムと独立電源システムがあります。 系統連系システムは、数百万円規模の大規模なシステムに適し、 独立電源システムは、数万円から数十万円程度の小さなシステムに適します。

 系統連系システムは、太陽電池等の発電装置で発電した電力が消費される電力より少ない場合、系統から電力を購入します。 そして、太陽電池等の発電装置で発電した電力が消費される電力より多い場合、系統に電力を売却します。 蓄電池は無い場合が多いです。 系統連系システムでは、系統からの電力の調整はパワーコンディショナが行います。

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 独立電源システムでは、太陽電池等の発電装置で発電した電力が消費される電力より少ない場合、蓄電池から放電し電力を取り出します。 そして、太陽電池等の発電装置で発電した電力が消費される電力より多い場合、蓄電池に電力を蓄えます。 蓄電池が満充電だと電力が余っていてもそれ以上電力を蓄えることができません。 蓄電池に電力が無いと電力が必要でも利用することができません。 独立電源システムでは、蓄電池との電力のやり取りはチャージコントローラと言う装置が行います。

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 系統連系システムは大規模で、政府の施策で電力を高値で売れるので、持ち家の屋根がある方はおすすめです。 しかし、持ち家の屋根が無い方には独立電源システムしかありません。 独立電源システムでは蓄電池の寿命が短く数年に1度交換する必要があるので、維持費が高くなってしまいます。

 そこで、当方では、12Vバッテリーレス充電システムを開発しました。 12Vバッテリーレス充電システムでは、太陽電池が電力を発電しない夜間はACアダプタから充電し、 太陽光がさんさんと照る昼間は、太陽電池から充電します。 そして天気が悪い日や朝夕の太陽電池が多少発電するが発電量が弱い場合、太陽電池とACアダプタで協調充電します。 この協調充電は、太陽電池の発電量が減るほど、ACアダプタからの充電を増やし、 スマートフォン等の最終充電装置が必要な電力を確保します。 通常合計1アンペア以上で充電し、5ボルト充電としては高速に充電します。 協調充電装置は、交流向けのパワコンを直流向けに簡素にしたものです。

 今回、12Vバッテリーレス充電システムの低価格版を開発しました。 オリジナル版との違いは、キャパシタの種類と数のみです。 電気二重層キャパシタが最高級品から中級品に、電解コンデンサが5つから3つに、セラミックコンデンサが3つからゼロに減っています。 こうすることによりコストを25%程度抑えることができます。 ただし、以前クラウドファンディングをしたときに比べて、物価が上がっているので、そのときより25%安く販売できるのではありません。 それぞれ影響を見てみましょう。

 1.電気二重層キャパシタの影響 12Vバッテリーレス充電システムでは、太陽電池ともう一方の電力源を、ACアダプタとモバイルバッテリから選べます。 モバイルバッテリを選んだ際に、出力USBポートに充電のためにUSBケーブルを刺したらモバイルバッテリが電源オフでもたたき起こせる場合がある、「モバイルバッテリたたき起こし機能」を持っています。 この「モバイルバッテリたたき起こし機能」の待ち受け時間が短くなります。 グラフは、4つの電気二重層キャパシタの電圧保持時間を比較したものです。 グラフで、イーディーエルシー3は低価格版、イーディーエルシー4はオリジナル版に採用された電気二重層キャパシタです。

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 2.電解コンデンサの影響  太陽電池の入力に取り付けられていた大容量電解コンデンサがなくなりました。 この影響で、1.5アンペア以上の大電力を扱う場合の安定性が悪くなります。 12Vバッテリーレス充電システムのプリント基板2枚を使ってモバイルバッテリーを用いた独立電源システムを構築できる応用編がありました。 この応用編では、特にこの電解コンデンサの影響が大きくなります。 低価格版は、応用編には使用しないでください。 また、充電電流は1.5アンペアまででご使用ください。 この使用条件ではほぼ影響ありません。

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 3.セラミックコンデンサの影響 3つあったセラミックコンデンサをはずしました。 しかしノイズを測定しても、はっきりわかる違いはありませんでした。 画像の赤がオリジナル版、黄色が低価格版です。 横方向は1目盛り10ミリ秒、縦方向は1目盛り200ミリボルトです。 高周波のノイズがのる特殊な場合を除き、影響はないでしょう。

 縦方向を1目盛り20ミリボルトに拡大しました。 ノイズはこの程度で、ほとんど差はありません。

 このようなキャパシタの変更により、お安く提供できるようになりました。 今回、プリント基板工場のキャンペーンを利用し、 クラウドファンディングでは枚数限定でさらにお安く提供する予定です。 お見逃し無いようお願いします。


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